「積極的な同意」って何?

私たちは毎日、誰かの「同意」を得ながら暮らしています。例えば誰かと一緒に行動するときには、自然と相手が何をしたいのか考えながら行動しているでしょう。でも中には、相手がただ気を遣って調子を合わせているだけ、ということがあるかもしれません。相手の意思をはっきり確認しないと、知らないうちに相手を傷つけてしまうかもしれません。

だからこそ、「相手が『NO』と言わないから同意」ではなく、「はっきりと『OK』があって、はじめて同意」と考えなければいけません。この意思表示を、今後「積極的な同意」と呼びます。

積極的な同意の取り方の例

  • 次のステップに進む前に、そうしていいか聞く
  • 身体に触れる前に、言葉による同意を得る
  • 相手が不安や違和感を感じていないか、
    途中で何度か確認する
  • 相手が自分にしてくれていることが気に入ったら、
    言葉でそう伝える

同意が取れていない例

  • 相手が明らかに不安を感じ、嫌がっているそぶりが
    あっても、
    行為を中断したり、やめたりしない
  • 相手の服装から、同意していると判断する
  • 酔っている相手の「OK」を同意と判断する
  • 相手が、ある行為に同意したからといって、
    「別の行為に対しても同意した」と思い込む
  • 「過去にも同じことをしたから、今回も大丈夫」
    と思い込む
  • 身体的な性的興奮のサインだけで、
    同意していると決めつける

こんなときは
どうすればいい…?

  • 言葉にしない同意(身体に触れ合うことや、「OK」の意味でうなずくなど)もありますが、それに頼るのは、そのサインが積極的で明らかなときだけにしましょう。微笑んだり、見つめ合ったりする行為は同意とは言い切れません。人によってボディランゲージは異なるので、はっきりと分からないときは、言葉で相手に聞いてみましょう。
  • 長く交際している=同意を取らなくていいということではありません。実際に、レイプ被害はパートナー間でも起きています(※)。レイプ被害は知人同士で起きることが多く、その中でも一番多いのは交際相手・元交際相手と言われています。人にはいつどんなときにでも、性的な行為をしたくないと思う理由が色々とあります。お互いが「ダメ」と言う権利を尊重し、いつでも自動的に「OK」だと思い込まないようにしましょう。
  • 同意はセックスだけではなく、手をつないだり、抱きしめたり、キスしたり、あらゆるタイプの性的に密接な行為において必要です。そして、一つひとつの行為について毎回、同意を得ることが大切です。ある行為に一度同意したからといって、その他の行為にも同意していることにはなりませんし、別の機会に同じ行為をすることに同意していることにもなりません。
  • 「そんなことにも必要なの?」と思う方もいるかもしれませんが、実は、LINEでの性的なやり取りにも同意は必要です。性的な意味を持つどんな行為でも、始める前に同意を求める必要があるのです。それには性的な内容のメッセージや写真を送る、手をつなぐ、キスする、性的に触れ合う、そしてあらゆる形でのセックスが含まれます。大切に思う相手が傷ついたり、恥ずかしいと感じる可能性があるすべての行為には同意が必要です。
  • たとえ露出の多い服を着ている人がいたとしても、その服装は同意の代わりにはなりません。相手の同意を得ずに触れようとしたり、さらに性的なスキンシップをしたいと思っても、相手の服装を理由にはできません。
  • 「同意は一度取ればそのあとは取らなくてもいい」というものではありません。同意は、そのときの特定の行為のみに対して確認することができます。私たちには、今日はセックスに同意しても、明日は拒絶する権利があります。過去に何回もセックスをした相手であっても、毎回相手の同意を確認しましょう。
  • ある性的な行為に同意したからといって、すべての行為に同意したことにはなりません。人によって、キスには不安がなくても服を脱ぐことには抵抗があったり、ある日はセックスをしたくなかったり、セックスに同意しても抱き合うことに抵抗があったりします。性的な行為は、お互いが最もリラックスして行うのがベストで、そのためには一つの行為から次の行為へ進むごとに、互いの意思を確認するのが最もいい方法です。
  • セックスに関することを言葉にするのをためらい、避けたい気持ちになるのは自然なことですし、多くの人にとって簡単なことではありません。でも、大切に思っている相手を不安にさせ、傷つけてしまうリスクに比べたら、気まずくなってしまう不安に打ち勝つことのほうがずっといいはずです。同意は「セックスをしたい」というダイレクトな表現だけでなく、様々な言動で示すことができます。パートナーがいる人は、お互いの同意の合図などを決めてみてもいいかもしれません。
  • 残念ながら、それは同意ではありません。同意は強制や圧力によるものでなく、相手から積極的に示されるものでなければならないからです。相手の意思を確認したときに、ただ「大丈夫」なだけでなく、明らかな「いいよ!」であることが大切です。
  • 同意の範囲は人によってさまざまです。ある行為はOKでも、他の行為ができないと感じることは自然なことですし、他の人がそうだったからといって今、目の前にしている相手がそう考えるとは限りません。
    また、同意は白黒はっきりした“概念”ではなく、むしろ“グラデーション”で、その境界線は常に移り変わるものです。例えば、行為をしているうちに「やっぱり嫌だな…」と思うこともあれば、「昨日は良かったのに、今日はなんだか嫌」になっていることだってよくあります。
    もしもあなたが嫌だなと思っても、「ダメ」という言葉が強い拒絶のように感じるのであれば、パートナーの手をやさしく押しのけるなど、言葉以外のヒントを示すことから始めましょう。あなたは同意に関して誰にも負い目を感じる必要はなく、どんなときでも性的な行為を拒否する権利があることは忘れないでください。
  • あなたに相談した人は、アドバイスや解決策よりもむしろ、安心感やサポートを必要としている場合が少なくありません。相談者に寄り添い話を聞いて信じてあげたうえで、どうすればいいのか自信がない場合は、どのようにサポートして欲しいのかを相手に聞きましょう。警察に相談するなどのアドバイスもできますが、あくまで相手が決めることであり、一方的なアドバイスにならないようにするのが大切です。問い詰めたり、相談者に非があるとほのめかしたりするようなことは決してしないでください。当サイトの最後に、相談先リストを紹介しています。専門家のサポートを必要としている場合、このようなリストを紹介することもできます。
  • 人が同意を取り消すには様々な理由があります。嫌な記憶や過去のトラウマを思い出してしまったのかもしれないし、特定の行為をする心の準備ができていなかったのかもしれません。あるいは、単に気が変わっただけなのかも。性的な行為が素晴らしいのは、双方が積極的に望んだときだけです。拒絶されても怒ることは決してしないでください。お互いがどう楽しめるか、相手の境界線を尊重しながらコミュニケーションを取りましょう。

同意に反する行為をされた
場合に取る手段

同意に反する行為にあってしまった場合、あなたは自己嫌悪に駆られたり、戸惑ってしまうことでしょう。
被害の度合いによって取るステップは変わりますが、まずは以下を試すと良いかもしれません。

  • 落ち着く
    自分を決して責めないでください。自分の身に何が起こったのかを把握するために、一度あなたの心と体を落ち着かせましょう。
  • 「嫌だと感じた気持ち」を信じる
    相手が自分の同意を無視したのかどうかわからないときは、ほとんどの場合、実際に同意に反しています。もしあなたが完全に積極的な同意をしていたのであれば、それについて「自分でもよくわからない」状況にはなりません。迷ったときは、常に自分の「嫌だと感じた」直感を信じましょう。
  • 解決策を考えてみる
    次にどう行動したいかを決めます。あなたの同意を無下にした相手と話し合う方法もありますし、もしもあなたの心と体が深く傷つけられるようなことがあれば、その相手に法的措置を取ることもできます。また、それらをしなかったとしても、あなたにはケアを受ける必要があります。
  • 周囲の人を頼る
    このページの最後で紹介していますが、臨床心理士などの専門家に相談することもできるでしょう。自分の経験や気持ち、考えについて、信頼できる人に話すことで、感情的な負担が軽くなるかもしれません。解決のための具体的な行動を起こすと決めた場合、ずっとそばにいてくれる人がいれば、手順を進めやすくなるはずです。

もしも悩んだら

もしもあなたが受けた被害が深刻で、一人では解決できない時、もしくは、誰かの助けが必要な時、日本には頼れる支援団体や組織がいくつもあります。
あなたが必要なサポートを受けるとともに、場合によっては加害者に対して必要な措置が取られる必要があります。一人ではないことを決して忘れないでください。

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